技能実習制度において、監理団体が適正な運営を行うためには、外部の目によるチェックが不可欠です。本稿では、制度上重要な役割を担う「外部監査人」について、その定義や要件、業務内容を詳しく解説します。
1. 外部監査人による監査が必要になる場合
技能実習法は、監理事業を適切に運営するため、監理団体に対し、以下のいずれかの措置を求めています(技能実習法25条1項5号、規則30条2項、3項)。
1. 指定外部役員による監理団体の業務実施状況の確認
2. 外部監査人による監査
2. 外部監査人とは
技能実習制度における「外部監査人」とは、監理団体や受入企業から独立した立場において、監理団体の業務が適正に行われているかを監査する機関です(技能実習法25条1項5号ロ、規則30条4号~6号)。
3. 指定外部役員とは
技能実習法では、監理団体が外部監査人による監査を行わない場合、以下の措置を講じることを義務付けています(技能実習法規則30条1項~3項)。
• 選任対象:受入企業と密接な関係を有する者以外の役員。
• 役割: 監理団体の業務が適正に実施されているかを確認する。
• 頻度: 3か月に一度以上の頻度で確認を行う。
4. 外部監査人の要件
外部監査人は、以下のすべてを満たしている必要があります(技能実習法規則30条4項、5項)。
• 受入企業と密接な関係を有しないこと。
• 外部監査人に対する講習を修了していること。
• 欠格事由(後記5参照)に該当しないこと。
【受入企業と密接な関係を有する者とは】
外部監査人になれない受入企業と密接な関係を有する者とは、次のいずれかに該当する者のことです(技能実習法規則30条4項)。
①受入企業、その役員、職員(過去5年以内にこれらの者であった者を含む。)
②過去5年以内に実習監理を行った受入企業の役員、職員(過去5年以内にこれらの者であった者を含む。)
③上記①、②に規定する者の配偶者又は二親等以内の親族
④社会生活において密接な関係を有する者であって、外部監査の公正が害されるおそれがあると認められる者
5. 外部監査人の欠格事由
以下の事由に該当する場合には、外部監査人になることができません(技能実習法規則30条5項2号)。
• ① 内部関係者: 当該監理団体の役員、職員(過去5年以内にこれらの者であった者を含む。)
• ② 関連構成員: 当該監理団体の構成員(当該監理団体が実習監理する受入企業の職種に係る事業を営む者に限る。)、その役員、職員(過去5年以内にこれらの者であった者を含む。)
• ③ 他の実習関係者: 技能実習生を受け入れている企業又はその役員、職員
• ④ 他の監理団体: 当該監理団体以外の監理団体又はその役員、職員
• ⑤ 外国送出機関: 当該監理団体が取次ぎを受ける外国の送出機関若しくはその役員、職員(過去5年以内にこれらの者であった者を含む。)
• ⑥ 刑罰規定など(個人): 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者など(詳細は、技能実習法26条5号イからニまで参照)
• ⑦ 刑罰規定など(法人): 法人であって、出入国若しくは労働に関する法律の規定などによって、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者など(詳細は、技能実習法26条各号参照)又はその役員のうちに上記①から⑤のいずれかに該当する者があるもの
• ⑧ その他: 当該監理団体又はその役員、職員若しくは構成員と社会生活において密接な関係を有すること、過去に技能実習に関して不正又は著しく不当な行為を行った者であることその他の事情により外部監査の公正が害されるおそれがあると認められる者
6. 外部監査人による監査の内容
外部監査による監査は、以下の方法によって行われます(技能実習規則30条6項)。
1. 業務実施状況の確認: 監理団体に対し、業務が適正に実施されているか、3か月に1回以上の頻度で確認すること。
2. 受入企業への同行: 監理団体が行う受入企業への監査に1年に1回以上同行し、その監査が適正に実施されているか確認すること。
7. 監理団体の運営支援は当事務所にご相談ください
当事務所では、監理団体の設立から運営に関するご相談に対応してきた実績を生かして適法な運営に向けたサポートを行っております。初回相談では現在の運営状況等をヒアリングさせていただいたうえで、適切な対応方針についてご提案をさせていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。